『「人間嫌い」のルール』中島義道

 この人の本はいつもそうなんだけど、断片的には共感できるところが多いのに、全体を読むと何だかとても鼻持ちならない。いい気なもんだぜ、と思ってしまう。『うるさい日本の私』はとても面白かったけど、売れたせいか、それ以降の本は自分勝手な自分が受け入れられていることに胡座をかいている感じがするのかな。同じような内容の本をたくさん出してるけど、一定の層に受けているんだろうね。

 何かと似ている、何だろう、と思っていたけど、あれだ、「生きるのが辛い人が読む本」みたいな「生き方本」を山のように出していた人。加藤諦三。何十冊とあるのにどれも同じような内容で、これは一種の精神安定剤みたいに消費されてるのかな?と思っていた。中島義道もちょうどそういう感じなのかもしれない。そうだとしたら加藤諦三のほうがずっとましな気がする。中島義道は読者を見下しているのが読んでてすごく伝わってくるもん。人生を降りてる降りてるって言うけど、大学教授やりながら降りてるはないよな。定年前に辞めたから? 売れっ子作家やりながら降りてるはないよな〜。単に特権階級なだけじゃん。