韓国人は猫が嫌い

 韓国人は、在日嫌いであるとともに、猫が嫌い。前回韓国に行った時に猫を見たのは計3回。2度は野良猫で、日本で見る野良猫よりずーっと目が荒んでいた。誰をも信じぬ目といいますか。近づこうとすると脱兎の(猫だけど)如く逃げる。日本ならもっと近くまで寄れるのにー。残る1回は、犬みたいに家の外に紐で繋がれていた。そして犬は逆に放し飼い。それも大型犬はほとんど見ず、チワワやヨークシャ的な座敷犬が中心。家から勝手に出たり入ったり、ウロウロしてる。放し飼いだから変な血縁が勝手に進み、妖怪みたいな犬が外をウロウロ(たしか根本敬の「ディープコリア」にもそういう記述があったから、もうずっと前からそうなんだろう)。ペットフード売り場にはドッグフードしか売っておらず、ウサギや魚の餌は少しあったが、猫の餌は皆無…。

 四方田犬彦/金光英実の『ためぐち韓国語』という新書(韓国語教本ではなく、韓国語をネタにした軽いエッセイ本)を読んでたら、まさにこのことについての記述があり、私の偏見はやはり事実のようなのだった。ここを読む限りたぶん猫好きであろう四方田氏は「わたしはひところ偏見をもっていました。韓国人はあまりに健康的すぎて、猫のもつ生理的なデカダンスを理解できないのではないかと」と書いている。韓国人は伝統的に猫より犬が好きで、それは犬が道徳的な動物とみなされているからで、しかし近年はペットショップで猫も売られるようになり、少しずつ猫の地位も上がっているようだ。といってもペルシャなどの銘柄猫だけだが…という話。

 また、「日本人は猫が好き」というのは韓国人の定説になっているとのことで、著者の金光さんが「猫が繋がれてるなんてかわいそう」と言うと「日本人は犬より猫の方が好きだから猫に同情するんだ」と言われたそうだ。それで思い出したが、ある韓国人留学生に「韓国人って猫が嫌いなんでしょ」と尋ねたら「最近は日本の影響で猫を飼う人も増えてきた」と言われたことがあり、「日本の影響???」と謎だったのだが、そういうことかと合点がいった。