調子いい時だけ同胞

 http://blog.radionikkei.jp/channel/entry-165857.html
 ラジオNIKKEIのチャンネルアジアという番組に閔栄治という在日のチャンゴ奏者の人が出ていた。高校の時から韓国に留学して伝統楽器を学んでいたそうで、一流プレイヤーのようなのだが、韓国ではやはり時として冷た〜い反応にあうらしい。例えば舞台で紹介される時に、名前だけで紹介される時はいいのだが、「在日の」とつけられた途端、観客の雰囲気がサーーーッと変わる。「間違いを探そうとする」。韓国でプロ活動をしていても「日本の臭いがする」と一流紙が書いたりする(しかし、迷惑をかけるのでグループから抜けると閔さんが言うと、純韓国人のメンバー達は何を言っているんだ!とアツくかばってくれたそうだが)。

 番組のインタビュアーの人が、これから先の音楽性について「日本の持ち味も加えていったら」みたいなことを言ったら、咄嗟に、真剣な声になって「それは、絶対にできないです。在日は、それは、絶対にできないんです」。詳しい説明はなかったけれど、もう、痛いほどよくわかって大きく頷いてしまった。この人はポピュラー音楽とのコラボ的なことを積極的にやっている人なのだが、それでも「日本味」だけは出してはいけない、純韓国人や日本人であればやってもよいかもしれないが、在日である限り絶対にしてはならない、ということなのだろう。在日が日本文化を身に付けているのは当たり前のこと。自分が自分であることさえそのまま出してはいけないなんて、無茶苦茶な話だ。

 ある在日のえらいオジサン(大学の先生だったり本をたくさん出してたりする人)に「韓国人って在日が嫌いですよね〜」って言ったら、「私なんて韓国に行ったらどこに行ってもVIP待遇ですよ」とさらっと返された。おお、なるほど、と思って「韓国人、そういうの好きそうですね」と言うと、「そういうの、大っ好き」と力を込めておっしゃった。そうなのだ、日本で有名になった在日は逆に物凄く持ち上げる。わが同胞が日本で大活躍、と大喜びするのである。それが韓国人の優秀性を証明しているのだと考えるのだろうか。名もない在日にはあんなに冷ややかなのに。

 韓国における「日本」というブランドは、昔に比べればだいぶブランド力を下げてきてはいるだろうが、まだまだ力を持っていると思われる。昔経済、今はマンガやジャニーズなのかもしれないが。ねじれた日本コンプレックスはまだ当分のあいだ続くのだろうか。

 しかし、日本が嫌いと言いながら日本人はチヤホヤする、家族や血を何より大切にしながら在日は冷たく扱う。ええかげんにせ〜よ〜、と思うな、さすがに。