BLと保守性

 ボーイズラブの最大の特徴は「保守性」だと常々私は思っている。『シュミじゃないんだ』という本の中でBL好きの三浦しをんは、BLの中でも「近親相姦」と「不倫」は最も苦手だと書いていた。同様に「大人(40代とか)と子供」も「社会的枠組みから反する」から賛成できない、とも。うーん、シュミが違うんだ。社会的枠組みに反しないと面白くないじゃないか!(反すればいいってもんでもないが) でも「ボーイズラブ漫画の登場人物の年齢引き上げ」を切望するところには大賛成だけど。

 もともとやおいという世界はインモラルなものに惹かれるある種の少女たちのものだったはずだが、ボーイズラブという呼称が定着した頃には、なぜかそれがきれいにひっくり返ってしまった。反動的ともいえるくらい保守的なカップル幻想が、男同士という隠れ蓑をかぶることでだだ漏れになっている。そのおかげでこれだけ大きなマーケットを得ることができたともいえるわけだが。