神林長平「あなたの魂に安らぎあれ」

 20年以上前の本だけど図書館になかったのでリクエストして買ってもらった。忙しくて期限内に読めなかったので延長しようかと思ったら、すでに他の人の予約が入っていた。待っていた人いたんかー。

 後半から結末にかけてはエンターテインメント小説ぽい予定調和になるけど、前半はとても面白い。何しろ日本語がきれい。SFは嫌いなほうではないのに、最近まで神林長平を知らなかった。海外ものに比べて日本SFを下に見ていたせいもあるけれど、SFというジャンル小説であることで、日本では文学ではない扱いを受けていたせいもあるかもしれない(図書館にも入ってなかったぐらいだし。まあ私が無知なだけなんですけど)。純文学とされているものほど日本語のレベルは(もしかして知的レベルも?)低いという昨今、こっちを読んだ方がずっと日本語に酔えると思う。

 雪風と続編の間の長さから寡作の人かと勝手に思ってたら、巻末の出版案内見たら、いっぱい書いてる人だった。なんか意外。長編3部作の1作目なのであとのを読むのが楽しみ。