大型ゴミ、300円から15000円まで

(大型ゴミに関するメモとして)
 数ヶ月前、ミニコンポと収納庫(カラーボックスの背の高いようなの)を処分することにしたので、処理費用を調べてみた。
 京都市は非常にゴミ処理費用の高い地域で、普通ゴミで1リットル1円、45リットルのゴミ袋で1枚45円、10枚入り450円で売っている。とにかく高い。
 余談だが、京都市のゴミ有料化は2006年。当時京都市は職員の不祥事が相次いでいた時期で、その中でもゴミ行政は最悪、覚せい剤で何人も捕まったり、職場でチンチロリンをしていたことが問題になったりしていた。そんなさなかにゴミ有料化(しかも馬鹿高い)なんて、いくら何でも市民は怒るだろうと思いきや、さしたる反対運動も起こらず、有料化はすんなり実現。日本人(京都人?)はなんて従順なんだろうとあの時はつくづく思った。
 いや反対運動までしなくても、心の中で憤っている人は多いはずだ、と思っていたが、友達の家に行くとものすごく丁寧に分別していて、それこそパッケージからビニールを丁寧にはがして別々に、てなことを細かく細かくやっていた。そういえば以前、これは大阪府の人だったが、ゴミを適当に捨てようとすると怒られたことが何度かあった。そんなに丁寧に分けなあかんの?と聞くと「当然や!」と鼻息荒いのだった。どうやら、意識の高い市民はゴミ分別にも意識が高くなくてはいけない、という気概があるらしい。それならもうちょっとゴミ行政に対して怒ってもいいと思うのだけど、まあ、まじめといえばまじめなのだろう。
 京都市ゴミ有料化時、ぷんぷん怒っていた私は、KBS京都というローカルテレビ局で「ゴミ有料化を考える」みたいな番組をやっているのを見つけた。市民からの意見を募ってアンケートなんかもある「市民参加番組」みたいな体裁だったと記憶している。これはさすがに怒りの声が出てくるだろうと思って見てみたら(確か司会はばんばひろふみだったと思う)なんのことはない、それは今話題の、いわゆるヤラセ番組のたぐいだった。紹介される「市民の声」は、反対意見はほとんどなく、ゴミ有料化賛成、リサイクルはいいことだ!みたいな意見が不自然に多く、予定調和的なものだった。まあ、京都市が金を出して作っている番組だったんだろう(もちろん表向きはそうじゃないだろうが)、日本らしいね、とその時は何も不思議には思わなかった。今、九電のヤラセメールが問題になっているけれど、こういうことは昔からどこでも普通に当たり前にやってきたことだったのだろう。
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 話それた。それで処分費用を京都市に聞いてみると、収納庫1200円、ミニコンポ800円で、計2000円也。ちなみに大阪市にも聞いてみた。こちらは収納庫1000円、ミニコンポ200円で、計1200円。ミニコンポ600円の差って何?
 試しに、家具をバラして板にして出したらいくらですか、と聞いてみると、そうすると1枚ごとに400円なのですごく高くなります、とのこと。なんか納得できないがそういうことらしい。じゃあその板を釘で打ちつけてひとつにしたら、と思ったが聞くのはやめた。
 とりあえず、高いな、と思って、民間の業者にも聞いてみることにした。ポストによく入っていた「不用品回収」チラシの業者をぐぐってみたら、こんな記事が。そうかボッタクリなのか、と思い、京都、大型ゴミとかでぐぐって上位に出てきた別の業者に電話。電話に出たのはいかにもな受付嬢。ここでの見積もりは、何と15000円。1500円ではなくて、15000円!
 わかりましたじゃあと電話を切ろうとすると、受付嬢は「少々お待ちください」と言って電話を保留にする。しばらくして「ただいま上司に聞いて参りましたが、今回は12000円でいいそうです」。このやり方でどこまで下げる気かわからないけど時間の無駄なのでさっさと切る。
 今度はポストに入ってたチラシの中で一番地味なところに電話してみることにした。チラシには「電化製品無料引取り」とあり、携帯電話の番号が載っている。「電化製品、壊れていても無料で引き取ります〜」と言いながらトラックが通ることがあるので、無料で引き取る業者だってあるはずだ。
 電話に出たのは庶民的なおっちゃんだった。スピーカーだけなら有料だけど、コンポなら無料で引き取りますよ、と言う。基盤みたいなのが金になるのかもしれない。家具はどうですかねー、と聞くと、木製のものは有料なら引き取るとのこと。とりあえずコンポだけでも、と来てもらうことに。
 やって来てもらうと、業者のおっちゃんは、本当に普通のおっちゃんだった。おじいさんと言ってもいいくらい。一人でこの仕事をやっているらしい。やっぱこういう人のほうが良心的なんだな、と思い、収納庫の処理費用を聞いてみると、500円とのこと。だめもとで「300円ではだめですかね?」と聞いてみると、あっさりOKしてくれた。部屋はエレベーターなしの5階。おっちゃんと2人で背の高い収納庫を階段で1階まで下ろし、軽トラの荷台へ。やや重労働だったけれど、費用は300円ですんだ。おっちゃんは3度も5階まで上ったり降りたりして汗だく。いいおっちゃんだった。「もし鍋とかの金属類もあれば引き取りますよー」と言う。金属類が一番金になるのかもしれない。今はないけど、また機会があればお願いします、と言ったら、何と来週で仕事を辞めるのだという。
 辞めるって、他の仕事するんですか、と聞くと、もう引退するつもりなのだと。けっこうな年だったから、それもありなのかな、と思いつつ、こういう業者がいなくなって、電話に出たようなボッタクリばっかりになったらイヤだなーと思った。おっちゃんはずっと電化製品買取をしていたわけではなく、以前は「古紙をやってた」とのこと。しかし古紙は大きい業者が強くてやりにくいので電化製品に変えたらしい。そういえば、京都のそのあたりで通りかかる古紙回収のトラックは「関西古紙」と「旭商事」ばかり。不用品回収の世界にもいろいろあるみたいだ。
 しかし何といってもゴミ回収の一番のぼったくり業者は京都市だと思う。
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(追記)ゴミ袋、ちょっとぐぐってみたら、10枚入り800円とかの自治体もあるみたい。ゴミって税金でやるべきだと思うんだけど…。要するにゴミ有料化はていのいい増税なわけで、しかも消費税と同じで貧乏人への負担が大きい。地方自治体職員の給料って国家公務員の給料よりずいぶん高いとか聞いたけどどうなんですかね。しかも区役所で見るあの楽ちんそうな仕事ぶり。どうなんですかね。ちなみに京都市は住民票などの手数料も350円と高め。プリントアウトするだけで350円。ぼったくりと思うんだがなあ。