日本人の安否

 いったい、何のために知る必要があるのか。身内に心配のある人はニュースに教えてもらわなくとも自分で調べているだろうし、そういう人のために、ニュースでは「安否の確認をされたい方はこちらへご連絡を」と言って連絡先を教えればいいのだ。行方不明の段階で、あんな、顔までさらされてしまって。そもそも何のために被害者の顔や名前を世間にさらすのか、考えてみれば理由がわからない。
 立場上(?)昔から、海外での大きな事件がある度にニュースで「日本人はいませんでした」と言うのにイラついてきた。野蛮で狭量な島国根性だと今でも思っている。それを指摘してくれたイエモンはえらいと思った。同じ日本国民として同胞の安否を気遣うのは当然だという人がいる。けど本当かなあ? もしかして、ただのやじ馬根性なんじゃないの? それとももしかすると、大半の日本人は被害者に日本人がいるかどうかなんてとうに何の興味もなくて、マスメディアの慣行として、ただの惰性で言い続けているとか。