人を信じるのは98%

 昨日の夜、4時過ぎになっても眠れなくて、ラジオをつけた。ラジオ深夜便のインタビューの時間だったのだけど、いきなり何だかキョーレツな話をしている。出演者の女性は二・二六事件で暗殺された軍人の娘で、9歳の時、座卓のうしろに隠れて、父親が暗殺されるのを目撃したのだという。そのさまを淡々と詳細に、ラジオで話していたのだった。母親は家に押し入ろうとする将校たちを押しとどめるために部屋から出ており、部屋には父と2人だけだったという。撃ち込まれた弾丸は40数発。9歳!トラウマにならんのかそれ、いったい何者じゃー、と思って聞いてたら、ノートルダム清心学園の理事長の渡辺和子という人だった。
「お母様はたいへんお厳しい人で、わたくしには22歳離れた姉がいるのですが、まま子なのでは?と聞いたこともございました。そうしたら姉が「和子さん、あれでもお母様はずいぶんお優しくなられたのよ」といっておりました」という感じで、とにかく語り口がお上品。
「学生の皆さんの中には、不本意で入学した人もいるんです。国立を落ちたからとかね。でも私は学生に「置かれた場所で咲きなさい」と言うんです。先生、咲けない場合はどうするんですか、と聞かれたら、咲けないなら根をしっかり張りなさいと言います。どうしてもその場で咲きたくないのなら別の場所に歩いて行ってもいいんですけどね」
 なーんか、いい話の連発だった。「誰かを好きになっても、信頼するのは98%にしておきなさいと私は学生に言うんです。でもシスター、キリスト教では120%人を信頼しなきゃいけないんじゃないですか、と言われるのですが、私は98%でいい。100%信頼したら、もしその人が変わってしまった場合につらいでしょ。だから2%は「許す」部分を持ちなさいと」
 うちのオカンは教育レベルの極めて低い人で、学校のことはまるでわかんなかったけれど、ジーザス大好きなので、ノートルダムの高校なら行ってもいい、シスターがいるから、なんて言ってた。こういう学校行っててもよかったんかな、と昨日のラジオ聞いてて思った。ガラじゃないか。