ポールは天才

 昨日のラジオ深夜便ビートルズでポールのボーカル特集というのをやっていた。「ポールのボーカル」だいたいイコールポール中心で作った曲(または全部ポールが作った曲)になると思うけれど、これが聞いてるとええ曲ばっかりなんだわ。ポールかジョンかでいえば、どっちかというとベタがポール、アーティストっぽいのがジョンというイメージなので、ポールが良いと言うのは気持ち憚られるところがあるのだけど、私、ビートルズで好きな曲はだいたいポール作です。
 ハローグッバイ、レディマドンナ、ペニーレイン、イエスタデイとかそのへんはまあ、ああそうね、という感じなのだけど、エリナーリグビー、ヒアゼアアンドエブリウェア、インマイライフとかでむむむと思い、フールオンザヒルやブラックバードは聞くたびに超名曲だ!と思ってしまうのです。こんへんはまあ、クラシック的素養なのだと思うのだけど、ポールはロック史に残る名曲ヘルタースケルターなんかも軽く作っているので、そのどれもが本当に「軽くさらっと」作った感があり、苦労して作ったという感じじゃないのよねえ。まるでモーツアルトのような。レットイットビーだってあまりにも聞きなれていて麻痺しているけれど、よく聞けば(そして歌詞もよく読めば)信じられないくらいいい曲だしね。
 きのうのラジオ深夜便で言っていたのだけど、バーンスタインが「ビートルズの音楽性は少なくともシューベルトよりは上だ」と言ってたのだそうな。シューベルトというところが微妙で面白い。
 しかしポールの天才もジョンという摩擦物質的天才があってこそより発露したのだろうし、バンドとは化学変化があってこそ大きな奇跡を起こすものなのです。