日本人はわがままな人が好き

 ずっと前から、そういう感じがしていた。日本人はいつも周りを気にして、浮かないように常に気を配り、周りと合わせることを第一義とするとされていて、実際にその通りなんだけど、それだけに本当はわがままな人が大好きなのだ。「出る杭は打たれる」なんてウソ。人の話を聞かず、何が何でも自分の我を通す、そんなはた迷惑な人を前にすると、何だか幻惑されたようにぼーーっなってしまって、熱に浮かされたように魅了されてしまう。出る杭は打たれるのはちょっとだけ出てたからであって、もうちょっと出るとみんなおもねってくるのである。
 それが最も悪く出たのが小泉フィーバーだった。ああいう人に、日本人はほんとに弱いと思う。もともと自分の意見がないから、あっという間に騙されてしまう。あの時、誰が郵政民営化なんて望んでましたか。しかも、ミーハーだからちょっと見た目がいいというのにまた弱い。唯我独尊で我が道を行く色男がカッコよく見えてしまう。石原だってそうでしょう。見た目はアレだけどホリエモンだってそう。みんな、言ってることメチャクチャですよ。なのに頭が熱に浮かされているので、なんか言われるままにふうーんと納得してしまう。ま、愛って無条件なものなんでしょうが。
 ところで小泉はB型っぽい。実際の血液型はどうだか知らないが、とにかくB型っぽい。B型といえば女子に最も嫌われる血液型といわれていて、合コンで血液型を聞かれ、B型だと答えると「え〜〜っ」の嵐で引かれまくるそうだ。でも、実際には「典型的なB型」タイプの男は、けっこうモテている気がする。自分勝手な男(もちろん多少見た目がいいのは不可欠だろうが)は女も好きなものなのだ(私はイヤですけどね。関係ないけど、ヨシキは絶対B型だろうと思ってたら、やっぱりB型だった)。
 日本人は「我を通す」ということに飢えてるのかもしれない。わがままで愛される人に対して、いじめられやすい人を考えてみると、こちらは、変わっていて周りと合わせないのは同じだけれど、我を通さずわがままではない人でしょう。「こいつはいじめても反撃しない」と思われる人でしょう。同じ「変わり者」が一方では人気者になり、一方ではいじめにあう。なんだか、わがままな人のとばっちりですよね〜。本当に面白い人物はたぶんこっちのほうに多いはずなのにね。