レイシズム

 このあいだ、石原の人種差別の話をしていたら、「それは人種差別ではなく、民族差別だ」と言われた。そりゃそうなんだけど、どう考えてもあれは「レイシスト」でしょ、と言うと、だからレースじゃないからレイシズムでもない、と。そりゃ語義的に言えばそうなんだけど、やっぱ彼には「レイシスト」という強く恥ずかしい響きが似合っている。民族差別は英語で言うとethnic discriminationか。長いし、言葉としてぬるいもんね。
 「排外主義」という言葉も、日頃から「ぬるい」と感じています。主義とかいうとどことなく立派な響きさえあるじゃありませんか。差別者であるという強い響きのある言葉がほしい。「ネオナチ」ぐらいの。
 しかし、人種差別(民族差別でもいいけど)が恥ずかしいものだとされていない土壌で、いくら「人種差別だ」と言ったところで空しいものがあるな。ネオナチっていっても、ナチスが何かも知らないかもしれない人たちなんだから(まじで)。
 あれだけの筋金入りの「人種差別者」(民族だけでなく、女性や年寄りや田舎者に対しても)がこんなに長く、しかも一地方ではなく東京という国際都市の首長に「選挙で選ばれている」ということは、まあ外から見たときにはかなり意味のあることだとは思う。私個人としては、彼は政治信条で支持されているというよりも、日本人のミーハーさに支えられているのだと思うけれど。
 今年78歳。まだまだ生きるだろうなあ。この人こそまさに「罪悪感のない人」「ストレスの少ない人」(←長生きするタイプ)だもんなあ。いや、この人自身よりこの人を選ぶ人たちのほうが問題ですよ、ほんとに。