筒井康隆「漂流」で

 http://book.asahi.com/hyoryu/
 朝日の書評で筒井康隆が『アウル・クリーク橋の一事件』という短編を紹介していて、たしかにこれはおそろしいと思い、ぐぐってみたら翻訳を載せている人がいた(原文はプロジェクト・グーテンベルクにおさめられている)。誉めるだけあって、たしかにちょっと筒井康隆っぽい。
 http://f59.aaa.livedoor.jp/~walkinon/owlcreek.html
 ちょっと違うけれど、死体の見る夢ということで『シエスタ』という映画が私はけっこう好きだった。『アウル〜』が覚醒的で鮮やかなのに対して『シエスタ』は夢見るようにぼんやりしているけれど。
 筒井康隆は他に「これはぼくが書くべき小説ではなかったかと思った」ということで『地球の長い午後』も紹介している。三島由紀夫にも影響された(というか、打ちのめされた)というのはやや意外な気もする。しかも『禁色』ですよ。
 ネットには載ってないけど、朝日の紙面ではこの欄は毎回、若い頃の筒井康隆の美麗ポートレートつきでちょっと楽しい(今週のはそうでもなかったけど)。たしかどっかで、背が足りなくて俳優としては残念だったというようなことを読んだ気がするけど(違ってたらすんません)背が足りなくてよかった。この人が俳優になってたら日本の文芸界の大きな損失でしたよ。