夢のない国

 3日ほど前、区役所に行く用事があった。窓口のおじさんはピコピコとキーボードを叩いて証明書を印刷して「はい、250円」。たいして混んでるわけでもない窓口にはおじさんが2人並んでいて(まあ、混んでる時もあるかもしれないが)雑談とかしてる。どうにも優雅な職場。おじさんはヒゲとか生やして何というか、うるさい時にはうるさそうな感じ。「楽ちんでいい仕事だなあ」と思わずにはいられない。
 きのうの選挙戦最終日、お買い物タイムに駅前を通ると、うちの前でも演説をしていた、ウグイス嬢が絶叫していた党が大音量で街頭演説していた。学会員が中心と思われる大聴衆を横切って商店街に入り、小一時間後に同じ場所を通ると、今度は圧勝した方の党が演説していた。演説も順番待ちするんだなあと思いながら信号待ちしていると、聴衆はさっきとは毛色が違う感じ。何だかねずみ色っぽいおじさんが多いような…。ああそうか、組合員の皆さんか。この時演説していた候補者というのがまた、高卒で元大阪市職員、市職員労組副委員長という超生え抜きの人で、まあ、3日前に見た区役所職員のおじさんの仲間というわけなんだろう。そりゃなあ、公務員や安定雇用労働者層の味方の人が、貧乏人のための政治なんてするわけないよなあ、子なし差別手当も当然だよなあ、と思って通り過ぎる。
 どうでもいいが、私はこの候補者の人にたまたまある場所で会ったことがある。たまたまテーブルの向かいに座って雑談の一言ぐらいはした。元公務員だけあってフツーのいいおじさんだった。政治家ってこんなとこまで来なきゃいけないんだなあとしみじみ思ったのを覚えてる。一生で一度、国会議員と直接喋った瞬間だったかもしれない(その時は議員じゃなかったけど)。
 しっかし、ハトヤマ総理ですか。大名のアソー家の次は歴史上の人物の孫。ほんとに夢がないよねえ。それでも選択の余地がないなんて、日本人は不幸だと思うわ。そもそも政権交代とかいうけど、元自民党だしねえ…。
 ちなみに私はユキオよりも似てない弟のクニオのほうが好きです。クニオ氏の秘書をしてた上杉隆が「鳩山さんは動物や自然が好きで、動物がひどい目にあってるのを見るとすぐにボロボロ涙をこぼすんですよ」と言ってたのを聞いて、すっかり好感を持ってしまったのです。