『ラスト、コーション』トニー・レオンの…

 トニー・レオンが本番?激しいですって?それは見なければ!と思って見たけど、本当にトニー・レオンが本番ってだけの映画だった(本当に本番かどうかは知りませんが)。設定がいろいろ不自然だし、いろんな意味で必然性も感じられないし、映画全体が薄っぺらい。「君だけは信じる」って急に言うけど、信じるに至った経緯は描かれないし。顔がよかっただけ?
 ベッドシーンは多少アクロバティックなだけで実はそれほど激しくもエロくもないし、本番(かどうか知りませんが)までしなくともいいのに、あれなら普通のSMシーンで十分なのに、と思った。トニー・レオンがベルト抜いてぴしーっ!ってのはなかなか良かったけど。
 女がスパイになるのを引き受ける理由も曖昧だし、男は「隙がなく誰も信じない冷徹な男」って役柄のはずなのに、けっこうあっさり「君だけは信じる」とかって簡単に女とデキてるし。要するに美人でSMっぽいのさせてくれたら誰でもいいのでは?と思うくらい説得力ナシ。
 まあ、同じ監督の『ブロークバック・マウンテン』もそうだったけど、メロドラマなんだよね。『ブローク〜』は自然描写が良かったし、心情がもっと丁寧に描かれてた気がする。もしかしたら、直接的なベッドシーン(それが売りだけど)を盛り込まないほうがいい映画に仕上がってたのかもしれない(ベルトでぴしーっ!は入れてほしいけど)。
 それと、女優さんの顔にシャープさがないのが個人的には不満かな。1万人の中からオーディションで選んだというんだから、監督さんはよっぽど子供っぽいロリロリ顔がお好みなんだろう。