『大奥』よしながふみ

 よしながふみのマンガ読むといつも思う。好き放題やってるなあ、いいなあ仕事なのにこんなに好き放題やれて…。食い物とホモのマンガ。ホモじゃなければ、女が男を侍らせるマンガ。でもやっぱり、読むと面白い。才能があるって力だ。好き放題やっても許される。顔がいいとか金持ちとかと同じだな、才能って。多くのことが許されるし幅が広がる。
 昔読んだ『フェミニズムの帝国』を思い出させる男女逆転世界の『大奥』。美貌の坊主を無理矢理還俗させて侍らせるなんて、ほんと「好き放題」。でもそれは確かにドラマの『大奥』にもあったエピソードで、他の側室(?)たちも上手に『大奥』のエピソードをひっくり返して使ってる。やっぱりマンガは上手だし面白い。今のマンガって絵がとにかく緻密で話がつまらんのが多いから、こういう白っぽい絵で「マンガ」が上手な人って、やっぱり貴重だと思うわ。