韓国ドラマと日本のマンガ

 『魔王』最終回ひとつ前まで見たけど、本当に面白いドラマで、毎回没頭して見てる。デスクトップにgyao映らないので(win2000のせいか、調子が悪いのか不明)B5ノートの小さい画面を食い入るように見て、おまけにヘッドフォンつけてるので、見終わるとぐったり疲れる〜。

 韓国ドラマってこんなに面白かったっけ?『魔王』が特別だとしても、これだけ丁寧に作られてるというのは驚嘆に値する。『風の息子』(95年)とかは面白かったけど、安っぽいけど面白いって感じだったしねえ。いきなり主人公がボクサーになったり、笑える展開も多いし。進化してるんだなあ。

 日本ではドラマはもうぜんぜんダメで、これは広告代理店と大手マスコミとタレント事務所と、要するに「ギョーカイ」の村構造が悪いのだと思うけど、韓国のドラマを見るにつけ、日本のマンガとちょっと似てるなと思うことがある(単に30〜40年前の少女マンガみたいだというだけではなく)。読者と同時進行で読者の反応によって連載が延びたり縮んだりし、話の行方まで左右されたりする。徹底的に「娯楽」に徹しており、売れたものが勝ちだとはっきりしている。マーケットがでかい。映画やドラマは韓国に劣っても、日本にはマンガがあるじゃないか!なんて思ったりする。

 とか言いながら、私は今のマンガにはぜんぜんついていけんし、あまり面白いとも思えない。細分化しすぎて、それぞれが少数のニーズに応える形で作られているので、その少数のためのルールを踏襲しないと楽しめない感じ。年寄りの言い草だが、萩尾望都とか大島弓子は面白かったなあ、なんて思って、もうそういう過去の遺産を読み返すだけでいいかなあ、なんて。

 ひとつには、今のマンガは長すぎる。人気が出たらとにかく引き延ばして売ろうとする。20巻とか30巻とかザラだけど、ひとつの物語世界を構築するにはどう考えても長すぎる。だから水増しになるし、もう最初から引き延ばしを想定して話を作るようになる。要するにキャラだけ作ってあとはあまり制約を設けないとか。そうするとゲームとかにも対応しやすい。

 でもねえ、大大河ドラマの印象がある『ベルサイユのばら』でも全10巻、もっとスケールのでかい『デビルマン』でも全5巻であることを考えると、これぐらいの長さでないと後世に残る名作にはなりにくいのでは?とも思えてくる。しかしもう、人気作がこれくらいの長さで終わらせてもらえることはないだろうし、昔はマンガのマーケットがまだ小さかったから自由がきいたのかもしれない。

 韓国の事情には詳しくないが、日本のマンガの映画・ドラマ化がちょっと活発ぽい。『花より男子』は超イケメン4人組で人気があるらしいし、よしながふみの『アンティーク』も映画化(こっちは魔王のチュ・ジフン主演。どう考えてもはまり役…。マンガそのままやないけ)。『オールドボーイ』も日本のマンガ原作でこれは名作だったけど、この「イケメン主導」というのはどうなんかな。日本みたいにならなきゃいいけど。