天才は男の趣味が悪い

 つべにジャクリーヌ・デュ・プレのドキュメンタリーがあったので、何となく全部見てしまった。昔見たことのあるやつだけど、本当に「引き」がある人なのでつい見てしまう。まさにクラシック界のジャニス・ジョプリン。こんなに明るくて華があって、自由で奔放で天真爛漫で、子供の頃の回想なんか聞いても、ジャニスとは違って幸せになるのを約束されたような人に見えるのに、後半生以降の不幸さはどうだろう。病気で演奏できなくなっただけでも不幸なのに、イケイケラブラブだった夫はデュ・プレが病気になったらさっさと捨てて愛人と子供作るし、死んだら死んだで姉にあんなこと暴露されて売名に利用されるし(映画、見てないけど)、全く浮かばれん。

 だいたい、このドキュメンタリーに出てくる若いバレンボイム見ても、どう見てもいい人には見えんのに、何でこんなヤツ選んだんじゃ〜、と思ってしまうな。肉体的にもデュ・プレが「どーん」という感じの体型なのに対してバレンボイム貧弱だし。

 『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』(ひどい邦題だ)を見たくないのは、どう考えても本人の映像のほうが魅力的でビデオジェニックに決まってるからじゃ。特に演奏シーンなんかは、いくら俳優がうまいといっても、本人以外の映像で見る気にならない。ストーリー的にも、ちょっと趣味が悪かろうと私は思うな。見てないけどな。

Du Pré & Elgar Cello Concerto - Part 1(Part8まである)