『密愛』

 なんじゃこりゃ〜。『ナヌムの家』の女性監督の作品だというんで、もしかしてフェミっぽかったりとか、何か深いもんでもあるんかな?と思ったら、もう、何でもなく(イヤラしくもなく)、何がしたいかさっぱりわからん。ラストはもっとも古い韓国映画の王道パターンで、しかもエンディング音楽はドナドナ〜。もう、信じられん。

 亭主の浮気を知った主婦が近所に住む若い医者とお医者さんごっこをしてるうちに不倫関係に…という話なんだけど、男優(この言い方じゃAVみたいだ)は渡辺徹に無精ヒゲ生やしたようなので(つまりデブめ)、女優は「シュリ」に出てた人なんだけど、上唇の形がどうにも好きになれず、それが気になって仕方がない。要するにビジュアル的にもちょっとなあ、という感じなので余計つらい。ベッドで裸の男の腹の上に女が顔を載せ、その腹にキスするシーンがあるんだけど、その腹がもう、ぽっこり膨らんでて、そのぽっこり腹が息とともにもこもこ上下して、どうやってこれをセクシーと思えというのだ!という感じ。韓国の俳優は筋肉モリモリに鍛えてる人が多いのになあ(それもどうかと思うけど)。あでも、肌はきれい。韓国人は男も女も肌はしっとりしててきれいなんだ。

 だいたいその、夫の浮気で鬱になり全てに無気力無感動だった女が、別の男とヤった途端、ケロっと元気になってケラケラ笑い出すなんて、もう反フェミニズムもいいとこだ。それがラストで、「活力は不幸から生まれる」なんて、説得力なさすぎる。あんた鬱やったやないけ、といいたい。