テレビ離れを防ぐには

 テレビが凋落してるなんて言われて、私自身はテレビはほとんど見ないし痛くも痒くもないけど(というかもっと凋落していいと思うけど)テレビがもっと見られるようになる方法はあると思う。まずは「芸人」の出る番組を半分、いや3分の1に減らす。私は10分の1でもいいと思うけど、まあ好きな人も多いみたいなので。「芸人」自身のせいではないけれど、楽屋落ちネタは明らかに見る人を遠ざけているし、必死でがっつく様子は見ていて辛い。
 それから全放送の半分ぐらいは再放送にする。50年からの歴史があるのだから、財産はいっぱいあるはず。なつかし番組みたいなのをどんどん放映して、ウルトラマンの最初からとか仮面ライダーとか昔のアニメとか垂れ流すように再放送したら中高年は必ず見るはず。番組製作コストもかからない。だいたい昔は夕方の時間帯にぬるい再放送をいっぱいやってたはずだ。必殺とか暴れん坊将軍とか大岡越前とか。夜中には昔の海外ドラマをやっていた(私はMASHが大好きだった)。ああいうのを昼間と夜中にみっちり流せばいい。有料放送のために取っておくんじゃなくてね。DVDが売れなくなるから再放送をしないのかもしれないけど、放送したほうがかえって中高年の大人買いはふえると思うな。
 誰が一番テレビを見てるかって、それは主婦でも子供でもなく、お年寄りですよ。うちの母なんて、とりあえず家にいたらテレビつけてる。面白くなくても意味わかんなくても、とりあえずテレビ。うるさいだけなのに、テレビ。こんなにお年寄りはテレビを見てるのに、制作側はちっともお年寄りを大事にしてない。「ほれ、これでいいだろ」みたいな態度でマンネリの水戸黄門みたいな番組流すんでなく、もっと真摯にお年寄り向けの番組をつくるべきだ。ていうか、テレビ番組ぜんぶ年寄り向けにしてもいいくらい。これからお年寄りに向かう人たちは目が肥えているので、「年寄りはこれでも見ておれ」みたいななめた態度では見てもらえないことは、中高年女性がどっと韓流ドラマに流れ、誰も日本のドラマを見なくなったことに象徴されている。いちばん大事にすべきお客さん、それはお年寄りなのだ。
 それじゃ年寄りしかテレビを見なくなるかというと、そうでもないと思うな。だって子供でも再放送のぬるいアニメや時代劇、見てたもん。味わいがあるというのは子供にもわかるもんなのだ。それに、年寄りしかテレビを見なくなったとして、なんか問題があるだろうか? 一番お金を持っているのは高齢者と言われているのだし、高齢者に見ていただき、CMを見てものを買っていただけばいいではないですか。
 まあ、無理でしょうね。テレビは代理店とタレント事務所主導の村社会だろうし、テレビ局は不動産で儲けられるし、真剣にどうこうしようなんて、ホントは誰も思ってないだろうしね。業界の超高給取り特権階級サラリーマンがプロレタリアートを搾取する構造も変わらんだろうし。テレビはますますくだらなくなるといいよ。私は「タモリ倶楽部」だけ見るわ。