ETV特集

 NHK特集の質が下がり、ETV特集の質が上がっている。スタッフが動いたのか大人の事情なのかはわからないけど。昨日の永山則夫特集も濃くて、録画したのを寝る前にさわりだけ見ようと思ったら結局全部見てしまった。死刑の是非や遺族感情などを置いて考えれば、これほど興味深い人物を殺してしまうなんて、単純に日本の文化的損失だろうと思える。
 3月放送のホームレスと猫の特集『ひとりと一匹たち』も良かった。ホームレスと猫が常から他人とは思えない私など、冒頭から最後まで号泣の嵐だった。ラスト近くの、ホームレスの老人が施設に入ったため河川敷の住まいに残された猫の姿を見て心を痛めない猫好きはいないだろうし、歌を歌いながら川で水浴びするホームレスの姿を見たら、人って何だ!と問わずにはいられない(たぶん)。さすが評判が良かったようで、3回再放送されている。
 しかしETV特集は何というか、「ヒューマンドキュメンタリー」的なクサさがあるのが難点で、もうちょっとドライだったらもっといいのになーと思うところもある。それでもさすがNHK、こんなに時間(=お金)のかかるドキュメンタリー作れるのはNHKだけだ。