マイコー

 たまたまこの間、Dead or Aliveピート・バーンズの整形話をyoutubeその他で見てたところだった。直すところなどどこにもなさそうな、隙なく整った顔をしていたピート・バーンズは整形のやりすぎでまったく顔が変わってしまっており、誰が見ても「前のほうがよかったのに…」と嘆息せずにはいられない(本人はご満悦かもしれないが)。しかもエスカレートしすぎた整形の失敗のせいで死にかけ、数ヶ月(十数ヶ月だったか?)の療養の末に蘇り、その後、有名な悪趣味番組 "Big Brother" に出演して、その強烈なキャラですっかり人気者に返り咲いたという。たぶん、それでも懲りずにその後も整形を繰り返してたんじゃないかな。どうやら整形って(お金のある人は)「このへんにしとこう」という歯止めがかからないものらしく、病気のようにエスカレートするらしい。
 マイコーの訃報が流れてから繰り返しかかっているジャクソン5や『スリラー』の映像見てたら、このほうがかっこいいのに…と嘆息せずにはいられない。まあ『スリラー』の頃はすでに鼻が若干細い感じではあるけれど…。昨日ネットで見たアメリカのニュース番組では、マイコーの子供のゴッドファーザーだというマーク・レスターが電話でコメントをしていた。マーク・レスター……たぶん、小さな恋のメロディの人…。ロンドン公演にはハリポタの出演者たちに参加してもらう予定だったとも読んだ。本当に、(白人の)子供が好きだったんだなあ…。子供好きなだけに、子供は3人もいたらしい。3番目の子供は人工授精の代理母による出産だとか。その名も、プリンス・マイケル……。なぜか写真で見る子供たちの肌は真っ白。特に上2人の子供たちは白人にしか見えん。ていうか、たぶん、白人。
 ピート・バーンズの整形はどちらかというとボディ・モディフケーション(身体改造)指向な気がする。美しくなりたいとか女のようになりたいというよりは、もっと極端で異形な感じ。マイコーは…結果的には鈴木その子だったけど…。
 マイコーにはあまり興味はなかったのだけど、ひとつだけ好きな作品(?)がある。声優としてゲスト出演してた『シンプソンズ』。マイコーが出てた回は(何回かあるのかもしれないが、たまたま私が見た回は)全編『カッコーの巣の上で』のパロディというマニアックな回だった。ずいぶん昔に見たのでうろ覚えだけど、マイコーの役は囚人のひとりで、見かけは醜いけれど自分のことをマイケル・ジャクソンだと思っている男。もちろん映画のパロディだから、頭がおかしいか何かの設定で、自分をマイケルだと思い込んでいる男の声をマイケル本人がやるというほんとにマニアックでシュールな趣向だった。わりとひねくれた脚本だったと思うけど、マイコーの演技(?)はすばらしく、ああけっこうシャレのわかる人なんだなーと思ったのだ。その中でさらっとアカペラで歌っていた『ベン』(のさわりだけ)がすごく印象的で、ほんまにええ声やなあと素直に思ったもんです。一番いい曲じゃないかなあ、ベン。
「今度のロンドン公演が最後になるだろう」と言っていたマイコー。どっかで「これは持たないかもしれん」と思っていたのかもしれない。プロレスラーの三沢も「今年でやめる」と言っていたとか。「これさえ終われば」とかあんまり考えず、人生、早め早めが大切やね。