現実感がないのかな

 私は読んでないけど、広瀬隆の「危ない話」は相当たくさんの人に読まれたはずで、あの本は相当影響力があったはずだ。だけどその後原発反対の世論が強まって国の原発政策が変わったということもないし、市民運動が広がったということもあんまり聞かない。日本はかつてのサヨクがダメダメだったために、市民運動が根付かない土壌なのだ。原発がイヤだと思っている市民は多いはずなのに、政治を変えることができない。子ども手当だって反対の人が多かったのに実施された。民主主義が機能していないのだ。日本は世界一うまくいっている社会主義国だと昔からよく言われているし。
 地震津波も必ずあるとわかっている場所に、何で原発があるのか。くるっているとしか思えない。くるっているというか、現実感がうすいのかなという気がする。もしかして、現実感がうすいのは日本人の国民性なのかも。合理的に考えたら地震国に原発バカバカ作るのおかしいだろうに、誰も止められない。地震国をおいといても、原爆落とされた国なんだから、核にもうちょっと敏感であってもおかしくないのに、まるで考えないようにしてるかのようで、やっぱり現実感がない。みんななんとなーく流されて、まあ国がすることなんだから間違いないのかななんて思ってる。そのくせ保険とか大好きで、こういう時にはすぐインスタントラーメンや懐中電灯を買いに走ったりする。「だってもしもの時心配やん」とかいって。原発が危ないって思っても、テレビで何も言わなくなったら忘れてしまう。他の話題が始まったら容易に興味がそっちに移ってしまう。ひとつのことをずっと考え続けるのが苦手なのだ、きっと。
 今回のことで原発は減るのだろうか。ほとぼりさめたらなんとなーく元通り、ってことにならないだろうか。コワイなあ。
 きのう外国のラジオ聞いてたら(大本営の発表ばっかり聞いてたらヤバイという気がして)フランスと日本の原発の違いは、って話をしていた。フランスは世界一原発が多い国なのだけど、国民は原発に親しみを持っているとのこと。学校から社会見学で原発の見学に行くんだって。確かに、日本では考えられない。ええんか悪いんかようわからんけど。